シヴァxリマ
未知の扉
それぞれの愛、それぞれの日々:前編
それぞれの愛、それぞれの日々:後編陵辱表現有
水音のある晩餐
ナイトメアメモリーズ:前編
ナイトメアメモリーズ:後編


アリシア エルヴァーン♀ F6 B
リッカ  ミスラ♀ F4 A


バストゥークに到着して二度目の日が暮れようとしていた。
アリシアはリッカの姿を求めて街中を彷徨っていた。
聞き込みをするのも一つの手立てだったが、言葉を持たない彼女にとってそれは不可能に近かった。
言葉が分からない訳でもなければ、声が出ない訳でもない。
言葉の無意味さ、無力さ、それらを痛感してからは彼女は自ら沈黙の世界へと閉じ込まることにしたのだ。
石造りの家々からは生活感溢れる光がもれ、時折食欲をそそる香りがアリシアの鼻をかすめた。
通路の行き止まりに大きな扉があり、そこにバストゥークが誇る錬金術ギルドが構えていた。
そこを調べ、今日は捜索を打ち切ろうと心に決め重い扉を開く。
怪しげな匂い、そして煙、なによりもまがまがしい雰囲気をその館は携えていた。
入り口の階段を一段、また一段登り、目の前のカウンターを覗き込む。
店員が二名、その間のカウンターを挟んで漆黒のローブに身を包んだ魔法使い風のヒュームが立っていた。
ヒュームというのは間違いだ、フードを取っているその頭にはミスラ独特の二つの耳が誇示していた。
「…!」
「いらっしゃい!もうすぐ店じまいだが欲しい商品があるかどうか見ていってくれ」
店員がアリシアに言葉を投げかける。
「あ〜、ダメダメ。めぼしいものはすでにアチキの鞄のニャかだから見るだけ無駄、無駄」
ミスラは振り返らずに左手を上げ、それを左右に振った。
それを聞いた店員はお手上げのポーズで愚痴をこぼし始める。
「おいおい、経営妨害するならとっとと引き上げてくれ」
といいつつも店員もまんざらではなさそうにそのミスラに苦笑して見せた。
そんな二人のやり取りに構わずアリシアはカウンターへと歩みを進め、ミスラの横に並んだ。
アリシアと比べるとそのミスラは頭二つ分小さいだろうか、自分のテリトリーにはいってきた彼女を先客のミスラは横目で睨み上げる。
「っ!」
ミスラの○色の髪が風も無く揺れた。
彼女はばつが悪そうに舌打ちをして、顔をしかめる。
「…元気そうだなアーリィ。あんたがこんニャところにニャんのようだい?」
見上げていた目をそらしわざとらしくため息を吐く。
「…聞くまでもニャいか…場所を変えるか?どうせ店じまいだしニャ…」
返事を待たずにミスラはマントをなびかせ踵を返す。
フードをかぶり「またな」と店員に短く言い放って彼女はその場を後にした。
アリシアも無言でミスラの後に続く。
聞きたいことは山ほどある、言いたいことも山ほどある。
しかし彼女が殻に塞ぎ込んだ時間が長く、何一言、口から紡ぎ出すことができなかった。
バストゥークの町に姿を隠し始める夕日が映え、二人の長く伸びる影を揺らしていた。


「酒でいいかニャ?」
アリシアはリッカの部屋に入ってから扉の前を動こうとしなかった。顔も俯いたままリッカを見ようとはしない。
彼女に構わずリッカは我が家の調理場から酒と簡単なフライチップを用意し、それらをテーブルの上に並べていた。
晩餐の支度が終わり、リッカは人形のように動かないアリシアに近づいた。
「久しぶりの再会ってのに、ニャに塞ぎ込んでんだ?」
リッカは下から彼女の顔を覗き込む。アリシアは無愛想に口を詰むんだまま答えようとしなかった。
「ふ〜…ニャんだい、いったい…そんな風にしてるニャら出て行ってくれニャいか?酒がまずくニャる」
アリシアに背を向けリッカはテーブルへと向かった。その彼女の背中に沈んだエルヴァーンの声が刺さる。
「なぜ…私を捨てて逃げた」
問いではない、彼女は自分に言い聞かせるように言葉を発した。
リッカの足が止まる。が、振り向きはしなかった。
「あん?アチキがか?」
それは問いかけ…しかしその言葉はまるで相手を蔑む様な、見下した口調でリッカは言い捨てた。
「他に誰が居る!!」
怒りの色を露わにし、アリシアは怒鳴った。
それは憎悪…リッカを責めるように二人の間合いが縮まる。
しかしリッカは背を向けたまま続けて言葉を零した。
「理由か?…飽きた…いや、必要価値が無くなった…だな。これでいいか?納得したか?」
リッカの口調は真剣そのものだったが、アリシアの神経を逆なでするのには十分だった。
アリシアにとって我慢の限界だった。
この結果も想像できる範囲だった、覚悟はしていた。
しかし、現実に起こるとそれは想像とはあまりにも違っていた。リッカの態度も輪をかけて彼女の怒りに火を注いでしまっていた。
アリシアは頭で考えるより先に体が動き、左手がリッカの胸元を掴んで、力の限り右手の拳を振り上げた。
「貴様あぁあー!」
苦しげに胸元を掴むアリシアの左手をリッカの左手が握り締めた。次の瞬間…
アリシアの渾身の一撃は見事なまでに彼女の左頬に打ち込まれ、ミスラの身体は宙を舞い、床の上に大きな音を立てて倒れた。
リッカは床から左腕を使い立ち上がろうとするが、ガクガクと揺れるそれは彼女の体を支えることができなかった。
無様
アリシアは胸の支えが取れ、たまった空気を搾り出した。
かって自分が愛したはずの最愛の人物は床に寝そべり、醜態を晒しながら立ち上がろうとしている。
いや、それすらもままならない彼女はただの地に落ちぶれた暗黒騎士…暗黒騎士と呼ぶのも躊躇う程の女だった。
「邪魔……したな…」
時間を割いてまで再会した、身体を張ってまで情報を集めた、夢にまで見た旧友の姿に落胆の色しか浮かばなかった。
しかし、五年前に止まってしまっていた自分の時間が動き出しただけでも十分な収穫と納得するのだった。
扉のノブに手を架け廻そうとしたが、不意に違和感を感じアリシアは立ち止まった。
振り向くと先程自分が殴りつけたミスラは、まだ床に寝そべっていた。
アリシアが感じた違和感はリッカの活力だった。
あまりにも彼女のそれが希薄すぎた。
冒険者、しかもHNMを相手にするものとなればそれなりの迫力があるものだが今の彼女からはまったく感じ取れない。
寝転んだままのリッカは仰向けにごろんと転がりアリシアを見上げる。
「ニャんだ…まだいたのか?さっさと出て行けよ」
「リッカ?お、お前…」
再会後改めて向き合うリッカを見てアリシアは彼女の右腕に視線が釘付けになる。
そう、今のリッカの右腕は腕の間接部分から先が見事になくなっていたのだった。
「ん?腕か?……いったろ、必要価値が無くなったって」
リッカは真っ赤にはれる左頬を左手で摩る。
「両手武器を使えない暗黒騎士なんて、HNMを狩るのには必要ないんだよ」
先程リッカがアリシアに言った言葉は誰でもない自分に言った言葉だったのだ。
「ば…か……。なぜLSを抜けるときに私にそれを言わなかった」
彼女の問いかけに答えずリッカは関節部から先が無い右腕を杖代わりに起き上がろうとしていた。
ふらつく彼女の体をアリシアは駆け寄り支え、起き上がる手助けをしていた
「アーリィならアチキについてくると思ったからニャ」
肩を借り起き上がったリッカは赤く腫れる頬を撫ぜながら答える
よほど強く殴られたのだろう、そこは徐々に腫れあがりリッカは痛みに顔を歪ませた
「…ふん、いわずともな」
アリシアは手近かな布巾を手に取り炊事場にと足を運んだ
そこにある冷水を溜めている樽の中にそれを浸し、水を切る。
「アーリィは今まで何をしていたんだ?ウィル達と一緒にいたのか?」
「……」
彼女は息を呑むだけでその問いには答えなかった。
それでリッカには十分だった、あのときの彼女が自分が居なくなったあの場所に留まるはずがないだろうと自分の中で簡単に答えは出た。


戻ってきたアリシアは布巾を、先程自分が制裁を加え腫れた頬にそっとあてがう。
「っ、…冷たいニャ」
「……わがままを言うな。私を置いて姿を消した罰だ」
数年ぶりのじゃれ合う様な二人の会話。
目を細めるアリシアの瞳をリッカが見つめていた。
同様アリシアも彼女の瞳の奥を見透かすように視線をそらさずそれを受け止めた。
徐々にお互いの顔が近づき、どちらとも無く瞼を閉じるとリッカの熱っぽい吐息がアリシアの唇にかかった。
こくっ…アリシアの喉が鳴る。彼女はじっとリッカの唇が自分に触れるのを待っていた。
……
「アチキには何も残っていないぞ?」
リッカはあと少しで触れ合うことの出来るものを押し止め、低い声でアリシアに問いかけた。
「必要ない」
目を硬く閉じたまま彼女は答えた。
「きっと後悔するぞ?」
「覚悟はある」
今度は即答だった。
「それにっ!んっ!」
リッカの次の問いかけはアリシアの行為によって途切れた。彼女の唇が優しくリッカの言葉を塞いだのだった。
「んん…」
リッカを抱きかかえるようにしながらアリシアは彼女の体を床に寝そべらせた。
銀色の髪がミスラの頬を優しく撫ぜる。その髪をリッカの左手が愛しげに梳いていた。
「ちゅぱ…ちゅ…りゅぅ…んんぅ……はぁ…」
唇を吸うような口付けをするリッカ。
アリシアの薄くひいた紅を剥ぎ落とすように丹念に何度も何度も繰り返した。
「んはぁ…リ、リッ…カ…んん」
リッカの背中を掌で擦り、片方の手で彼女の輪郭をなぞりながらアリシアは呟く。
舌で唇を舐め、唾液が糸を引いていた。お互いそれ以上の深い口付けをせず、長い間甘いキスを交わす。
その均衡を破ったのはリッカだった。
彼女の舌がアリシアの唇を割って挿し入ろうとする、もちろん拒むこともなくむしろアリシアは迎え入れた。
リッカの舌はアリシアの口腔内で彼女の歯列をなぞり、上あごをくすぐった。
アリシアも自分の中で暴れるリッカの舌を自分のそれでつつく、まるで催促するように何度も繰り返した。
リッカはその舌を絡める取ると今度は自分の口へと導き、唾液を絡ませ甘い吐息を吹きかけた。
「あっ…あぁ……んぁあ」
アリシアの口から甘美の喘ぎが、息遣いが漏れる。
たかが、たかがキスだけで彼女は全身の力が抜けていくのが自分で感じ取っていた。
髪を梳いていたリッカの手がアリシアの長い耳に触れ、形をなぞった。
「んん…」
性感が高まっている彼女はその愛撫だけでも口から小さな喘ぎを紡いでいた。
二人の口付けの間にリッカの指が割り込み、二人はそれを唾液を塗布するように舐めあげる。
「ちゅる……りゅ…ん……」
リッカは唇を離すとアリシアの口腔へ先程の指を差し入れ、それを舌代わりに二本の指で彼女の舌に絡め戒めていた。
今度はアリシアの耳へ舌を差し入れ、その穴を優しく刺激し始める。
「あぁっ!!…んっ、くふぅ……」
身を捩ってアリシアはくすぐったいとも取れる感触に酔いしれていた。
「相変わらず…アーリィはここが、弱いニャ…」
息を吹きかけ、囁くように彼女の耳に言葉を落とした。
アリシアも気が付かないうちにいつの間にか彼女と体が入れ替わり、全身の脱力を感じ床を背に寝そべっていた。
「あぁ、リッカ…リッカ……リッカぁ…」
「何度も呼ばなくてもアチキはここに居るニャ、不安か?」
アリシアはコクリと頷く。
いつもの凛とした彼女の雰囲気は取り払われ、まるで花を恥らう乙女のようなヴェールを纏っていた。
「仕方ニャいニャァ、久しぶりのアーリィの体をもっと良く味わいたかったけど…」
リッカはもう一度アリシアと口付けを交わし、
そのまま唇は彼女の顎へ、首筋へ、鎖骨へと徐々に下へ下へと唾液の後を残しながら蛭のようにアリシアの体を蹂躙していく。
その最中にワーロックタバードのボタンを外そうと不器用ながらリッカの左手が動く。
しかし、勝手が分からずに苦戦するリッカの姿を苦笑を交えてアリシアは眺めていた。
リッカが知っているアリシアはあくまでナイトだったのだ。
無論ガラントサーコートを脱がすのはたわいも無いように、留め金を外しわずか数秒で彼女を裸に剥くことも出来ていた。
利き腕ではない片手というハンデ、それでいて初めての服に戸惑いながらも必死に脱がそうとする姿が愛らしかった。
いつも余裕を見せるリッカがこれほどまでに一生懸命になる姿をアリシアといえども見た事は数えるほどしかなかった。
それでもアリシアは彼女の行為を手伝おうとはしなかった。彼女の性格を熟知している、故に反感を買うことを予想できたからだ。
やがてボタンが一つ、また一つとはずされアリシアのほとんど起伏が無い胸が彼女の目下に晒された。
「ふぅ…」
満足気なため息を一つ。
そのリッカにアリシアは上半身を起こし抱きついた。
女性としては貧しすぎる乳房にコンプレックスを抱いていたアリシアは最愛の人とでも見られることには抵抗を感じずにいなかった。
「あっ…」
二人の体は密着しているだが、抱き合う寸前にリッカの手はアリシアの服の中へと忍び込み彼女の乳房を弄っていた。
リッカの抜け目の無い盗賊のような俊敏な動作、服の下ではわずかな膨らみを楽しむかのように動き、アリシアに口付けをせがむ。
「んぁ…んちゅ…ちゅぷ…ちゅ」
「あふ…はぁ…んっ、ふぁっ…ちゅぱ」
唇を吸うような口付けにアリシアも喘ぎ声交じりにそれに応える。
長い長い二人の接吻。それはまるで空白の五年間を埋めるように互いを求め、喰らいついていた。
片腕のミスラ、腕前は少し鈍みをみせるものの巧に口付けを交わしながらもアリシアの衣服を脱がしていった。
最初のボタンを外すのは戸惑ったがそれ以後は少しアリシア自身の手助けもあったが、
リッカの流れるような手つきは昔のそれとほとんど変わらなかった。
「下は脱いでもらっていいかニャ?さすがに片手のアチキには無理があるニャ」
「あぁ…」
アリシアは自ら立ち上がるとワーロックタイツに手をかけ、ベルトを手早く抜きファスナーを下ろした。
アリシアの真っ赤なタイツの下から新雪のような白いショーツが栄えて映った。
さすがのアリシアも彼女の食い入る視線に照れが生じてかリッカに背中を向ける。
「あんまりジロジロ見るな…照れる…」
「ニャハハ、照れるアーリィもまた可愛いニャ」
アリシアはタイツを足から抜き脱ぎ捨てると純白のショーツにかけた手が止まった。
彼女の背中にリッカが抱きつき、脇の間から手を忍ばせて再び小さな起伏を片手で覆った。
今度は胸を愛撫するのではなくしっかりと隆起している先端の膨らみを指で弄んだ。
指で挟み、捻り、親指で押し、彼女の愛撫から逃げるようにアリシアは体を離した。
「せっかちは相変わらずだな……」
アリシアはすばやくショーツを脱ぎ捨てるとリッカに口付けをせがみにっこりと微笑み目を閉じた。
リッカは前髪を掻き揚げ、彼女の顎を掴むと自ら唇を重ねる。
「ちゅぱ……ちゅっ、んん……はぁあ…」
甘い吐息を漏らすもののアリシアはそれに溺れるわけにはいかなかった。
今度は彼女がリッカの着衣を脱がしにかかる番だったからだ。
口付けを中断するとそのままアリシアは彼女の顎から首筋へかけてキスの雨を降らせていた。
「ちゅ…りゅ……っぱ、ちゅぱ……はぁ…」
吐息混じりにアリシアは懸命に奉仕する。その間にも着実にリッカの脱衣行動を行っていた。
手際の良い動きにリッカはにたにたと昔を思い出しながらにやけ彼女の動きを見守っている。
笑顔を浮かべると口の端に見える彼女の八重歯が白く光っていた。
いとも簡単にローブを脱がされ、下着を着けていないリッカは部屋の灯りの下にその素肌を晒していた。
改めてみると明らかに違和感を抱くリッカの右腕をアリシアは愁いのある瞳で見つめていた。
感傷に耽るアリシアのその想いを打ち破るように、突然体重を乗せ自分より一回り大きい彼女の身体を押し倒そうとしていた。
リッカの不意打ちにも後ろ手に支え倒れるのを防ぐものの、支点にした手は瞬時に掃われアリシアは床の上に仰向けに倒れこんでしまう。
「っ…」
小さな衝撃に一瞬目を閉じたアリシアが息を呑んでしまった。
彼女を見下ろすリッカの顔が逆光で暗く見えにくくなっていたが、獲物を見定める爛々と輝く二つの瞳だけは不気味に光って見えた。
そしてミスラ独特の「ごろごろ」と声とは違う音を喉で奏でていた。
その時アリシアは思った、彼女にスイッチが入ってしまったと…


リッカの褐色の指が穢れを知らないような真っ白のアリシアの胸の膨らみにあてがわれる。
柔肌を優しく、かつ俊敏に動き僅かな膨らみを撫で回し始めた。
麓から頂にかけて揉み解し、先端の小さな薄桃色の突起が次第に佇立し始める。
アリシアの感度の良さ、そしてリッカの愛撫の巧みさを表現するには十分すぎるほど乳首が隆起し、主張をしていた。
「ぁあ……、あっ…んん…」
アリシアは切なさの混じった喘ぎを漏らしていた。
頃合良しとみてかしこり立った乳頭をリッカは摘み、捻り、微妙な力加減で強弱をつけながら責め立てた。
口惜しくも、以前のリッカとは違ったのは彼女は利き腕である右手がなかったということだ。
そのため片方の胸を左手で愛撫し、余ったほうには指の代わりにザラザラの舌で丹念に舐めあげた。
「あっ…リ、…カ…んふぁあ」
アリシアの熱の篭った言葉にリッカはどことなく少し寂しさを感じとっていた。
アリシアの両手がリッカの頭を掴み、耳元を撫ぜ、髪を梳く。
できることなら彼女の求めている口付けをし、両手で双丘を優しく包み込みたかった…しかし今の彼女にとってはそれはなしえぬ願い
「んんぐ…ちゅぱ……じゅる…じゅるる……レロ…ちゅく…」
唾液を絡ませ、わざと音を立てるようにアリシアの胸の先端を吸い上げた。
アリシアは歯を食いしばりむず痒い感触と、身体を駆け巡る安らぎを感じる甘美の感覚に耐えるようにリッカの頭に添えた両手に力が篭る。
我慢強く喘ぎ声を押し殺すアリシア、相手が反抗の意思を見せればそれを崩したくなるリッカ。
「あっ!」
脱力。アリシアが耐えていた壁が崩れた。
一瞬にしてリッカの頭に添えていた両手の力が、そして歯を食いしばっていた力が一気に解き放たれた。
「はぁっ…あぁ……んんぅ、あっ!」
リッカは再び喉を鳴らして身もだえするアリシアを見て口元を歪めた。
アリシアは忘れていたのだ、彼女のもう一つの手である尻尾という武器を…
ある程度自分の意思で動かすことのできるそれはアリシアのもっとも敏感な部分を撫ぜ、不意打ちに成功していた。
リッカはそのまま身体を滑らせ、アリシアの股間へと割って入っていた。
彼女の眼前に露になった陰唇はぬめりを帯びて光を反射し、ほのかに桜色に色づいていた。
その先端に姿を隠す真珠のような淫核の位置を探るようにスリットの周辺をリッカが指の腹で撫ぜた。
「ひゃぁっ!」
突然アリシアの口から彼女らしくない声が零れる。
リッカが目的のモノを捕らえるまでにはそれほど時間はかからなかった。
充血した淫核を覆う薄皮を指で剥き、外気に晒されたそれをざらつく舌でぺろりと舐めあげる。
「★△@■×!」
言葉にならない声をアリシアは叫ぶ。
「ニャハハ、アーリィの弱点は昔とかわんニャいニャ!」
「…だ、だめ…そ、そこっ!わぁあ!んっ!」
ぺちゃぺちゃ…ぺちゃぺちゃ……
アリシアの秘所からあふれ出る蜜に自ら唾液を混ぜながら大げさに水音を奏で、リッカの舌が愛で続ける。
その快楽に耐えるためにアリシアは唇を噛み締めるが、紡ぎだされる喘ぎ声を我慢することはできなかった。
カリカリと床の板をアリシアの爪が引っかき、押し寄せる悦楽の波に流されるのを踏みとどまっていた。
「あぁ……ん、くぅ…ん、はぁあっ!」
リッカが責め続けていた淫核への愛撫を中断すると同時に桜色の淫唇を二本の指で押し開き、
覆い隠されていた膣口がぽっかりと口を開いていた。
そこからアリシアは甘く蕩ける蜜を零していた。
それに貪るようにリッカの舌が挿し込まれ一段と高いトーンでアリシアの嬌声が漏れる。
十分すぎるほどにミスラの口元がアリシアの淫らな蜜で潤いを帯び、満足気にそれをペロリと舌なめずりして口へ運ぶ。
今度は舌の代わりに鉤状に曲げた人差し指を親鳥の帰りを待つ雛鳥のように口を開けている彼女の膣口へ施した。
「あぁああっ!あふっ!!」
アリシアはもはや限界といわんかばかりに弓なりに身体をそらし髪を振り乱しながらリッカの愛撫に絶頂という終焉と導かれていた。
「あっ、い…いん……くぅ、あぁぁぁぁぁっ!」
「アーリィ、イキそうニャのか?」
「んん、っん!わ、わたっ、し……い、ぃ…く、いく…」
素直に答えるアリシア。
彼女はリッカの腕に手を添え、阻害する意思はないもののその腕を力強く握った。
次々に溢れ出るアリシアの蜜が冷たい板の床に滴り、潤滑油を得てリッカはスムーズに注送される指の速度を速めた。
「アーリィ…いっちゃいニャ……」
とどめとばかりにリッカはアリシアのぷっくりと膨れ真紅に彩る淫核を自慢の舌で舐め上げ前歯で甘噛みした。
「あっ!イクイクイ、ック、ん……イクーぅ!!!」
リッカのそれが引導となりアリシアは頭の中に迸る閃光に全身が飲み込まれ、身体の中でハレーションを起こしていた。
一瞬、ピンと強張る身体が一寸の間を置き糸が切れたように脱力していった。
小さくピクン、ピクンと体を震わせ、アリシアは満ち足りた気だるさに身を投じた。
分かり易すぎる彼女の絶頂に今までとは違った類の笑みを浮かべ、彼女の中に埋没していた指を抜き取った。
微かにふやけたようにも見えるその指をリッカは自分の口の中へと運ぶ。
甘い、最愛の人のトロリと蕩ける蜜を多量に含んだ指を丹念に舐め「ちゅぱ」っと音を立てて指を口から離した。
「アーリィ…」
「……リッカ…」
互いの名を呼び合い二人の唇は再び重なった。
「ちゅぱ……んんっ」
唾を交えつつ、お互いの唇を吸い、舌を絡める。
どちらがというわけではない、互いに相手を求め、欲した。
アリシアの目にリッカの指が艶かしく光って映る。
それは今まで自分を愛し、欲望を成し遂げさせてくれたもの…
彼女はリッカの手を掴み、自分の口腔へとそれを誘い、先程のリッカと同様にその指を愛でた。

再会した二人の熱い夜はまだ幕を開けたばかりだった……

□END□